・TOEIC 800点以上取れていたらOKでしょうか?
・TOEFL(iBT)100点以上だったら大丈夫でしょうか?
・英語圏の大学に1年か2年、留学していたら、そのレベルに到達するのでしょうか?
大事なポイントは、語学試験の結果はあくまでも実力を裏付けるものであって、「英語ができる」レベルは、ネイティブスピーカーから「この人は話せる」という客観評価にの積み重ねからくる、「話せるという自信」だと思います。例えばこんなことがありました。私の妻は外国語大学の英米科卒業で、アメリカに1年交換留学の経験がありました。英語も流暢で、いわゆる日本の中では「英語が話せる人」と評価され、彼女も英語には自信がありました。しかし、私のカナダの大学院への留学にまだ2歳の娘と一緒についてきて、大学院の同級生の奥様方(いわゆるママ友)のグループに入った瞬間、「話していることがぜんぜん分からないし、そもそも会話についていけない・・・」とショックを受けていました。(「英語できる」自信がもろくも崩れた瞬間でした)もちろん、ママ友たちは基本的に優しい方々なので、彼女の話すペースに合わせてくれることもありますが、ギアを上げた瞬間置いて行かれる・・・の繰り返しだったそうです。
これが友達ではなくビジネスの世界だったらどうでしょうか?自分が取引先にとって優位な立場であれば、丁寧に聞いてくれる(話してくれる)かもしれませんが、逆に売り込む立場だったり、競争する環境であれば、かなり高いレベルでの英会話能力が問われると思います。私個人は4年間の大学院での留学において修士を2つを取得し、その業界では有名な学校なので、専門職としてのライセンスを持っているような立場ですが、日本生まれ日本育ち、30歳から本格的に英語の学びを始めた人間なので、現地で英語のみを使った職を得るのはかなりハードルが高いと思います。(ネイティブスピーカーに対して、英語で講演できるか?カウンセリングができるのか?マネジメントできるのか?といったことです)アジアの国に生まれ育って、カナダ人と結婚して5年以上住んでいる友人でも、コミュニケーションを主体とする仕事に就くのは難しいのを見てきました。
5年後にAI翻訳が一般化したとして、どのレベルの英語力が求められるか?私は、英語自体を学んでいくことの重要性は変わらないと思います。もちろん、自信をもって「自分はAIよりも話せる」と言えるレベル(同時に相手がそのように認めてくれるレベル)に使いこなせるようになるのは大事だと思います。そのためには若い時代に海外で1年ないし2年の留学をするというのは十分なリターンが見込める投資だと思います。そのうちバーチャル留学サービスみたいなものも出てきて、実際に海外に行かなくても同等の経験が出来るようになるでしょう。最近出版された本の中に「2025年に必要な5つのスキル」が紹介されていて、その中の1番目が「英語」でした。
英語版のビジネスニュースが理解できる。特にテクノロジー関連の英語による情報が理解できるレベルが最低限必要です。ウォールストリートジャーナルやフィナンシャルタイムズを英語で読んでください。今であっても日本語に訳される記事はごく一部なのです。(中略)外国人と商談できたり、ネイティブのように流暢に話せるまでのスキル獲得には時間がかかりますが、その手前でも十分価値があります。(山本康正著 『2025年を制覇する破壊的企業』261頁)
翻訳を介さずとも英文記事がストレートに読める力(情報収集力も含めて)、流暢に話せるのに越したことはないが、その手前でも十分価値がある・・・とのことなので、英語力を磨くと同時に、どう仕事の場面で用いるか、活用していくかという能力も大事ですね。英検1級を持っている、TOEICで800点以上のスコアを持っていること自体が価値ではなく、AI翻訳が巷で用いられるようになっても、逆に使いこなせるぐらいの英語力というか英語適用能力が求められるということでしょうか。ネイティブスピーカーがどのレベルで話しているかを知っていて、自分の能力と相手のニーズを見極めながら、AI翻訳を用いるべきかどうか判断できるぐらいの英語力を持っていることは強みになると言えるでしょう。小さい頃からどうやってそのような英語力を身に着けられるようになっていくか、ネイティブの先生方とディスカッションしながら、担当する英会話学校でもカリキュラムに反映していきたいと思います。