Tuesday, September 10, 2019

AIが変える英語教育 その2

「AI翻訳がなくても大丈夫!」もしくは「AIよりも全然話せる、聞ける」という英語コミュニケ―ションが可能なレベルはどの程度でしょうか?

・TOEIC 800点以上取れていたらOKでしょうか?
・TOEFL(iBT)100点以上だったら大丈夫でしょうか?
・英語圏の大学に1年か2年、留学していたら、そのレベルに到達するのでしょうか?

大事なポイントは、語学試験の結果はあくまでも実力を裏付けるものであって、「英語ができる」レベルは、ネイティブスピーカーから「この人は話せる」という客観評価にの積み重ねからくる、「話せるという自信」だと思います。例えばこんなことがありました。私の妻は外国語大学の英米科卒業で、アメリカに1年交換留学の経験がありました。英語も流暢で、いわゆる日本の中では「英語が話せる人」と評価され、彼女も英語には自信がありました。しかし、私のカナダの大学院への留学にまだ2歳の娘と一緒についてきて、大学院の同級生の奥様方(いわゆるママ友)のグループに入った瞬間、「話していることがぜんぜん分からないし、そもそも会話についていけない・・・」とショックを受けていました。(「英語できる」自信がもろくも崩れた瞬間でした)もちろん、ママ友たちは基本的に優しい方々なので、彼女の話すペースに合わせてくれることもありますが、ギアを上げた瞬間置いて行かれる・・・の繰り返しだったそうです。

これが友達ではなくビジネスの世界だったらどうでしょうか?自分が取引先にとって優位な立場であれば、丁寧に聞いてくれる(話してくれる)かもしれませんが、逆に売り込む立場だったり、競争する環境であれば、かなり高いレベルでの英会話能力が問われると思います。私個人は4年間の大学院での留学において修士を2つを取得し、その業界では有名な学校なので、専門職としてのライセンスを持っているような立場ですが、日本生まれ日本育ち、30歳から本格的に英語の学びを始めた人間なので、現地で英語のみを使った職を得るのはかなりハードルが高いと思います。(ネイティブスピーカーに対して、英語で講演できるか?カウンセリングができるのか?マネジメントできるのか?といったことです)アジアの国に生まれ育って、カナダ人と結婚して5年以上住んでいる友人でも、コミュニケーションを主体とする仕事に就くのは難しいのを見てきました。

5年後にAI翻訳が一般化したとして、どのレベルの英語力が求められるか?私は、英語自体を学んでいくことの重要性は変わらないと思います。もちろん、自信をもって「自分はAIよりも話せる」と言えるレベル(同時に相手がそのように認めてくれるレベル)に使いこなせるようになるのは大事だと思います。そのためには若い時代に海外で1年ないし2年の留学をするというのは十分なリターンが見込める投資だと思います。そのうちバーチャル留学サービスみたいなものも出てきて、実際に海外に行かなくても同等の経験が出来るようになるでしょう。最近出版された本の中に「2025年に必要な5つのスキル」が紹介されていて、その中の1番目が「英語」でした。

英語版のビジネスニュースが理解できる。特にテクノロジー関連の英語による情報が理解できるレベルが最低限必要です。ウォールストリートジャーナルやフィナンシャルタイムズを英語で読んでください。今であっても日本語に訳される記事はごく一部なのです。(中略)外国人と商談できたり、ネイティブのように流暢に話せるまでのスキル獲得には時間がかかりますが、その手前でも十分価値があります。(山本康正著 『2025年を制覇する破壊的企業』261頁)

翻訳を介さずとも英文記事がストレートに読める力(情報収集力も含めて)、流暢に話せるのに越したことはないが、その手前でも十分価値がある・・・とのことなので、英語力を磨くと同時に、どう仕事の場面で用いるか、活用していくかという能力も大事ですね。英検1級を持っている、TOEICで800点以上のスコアを持っていること自体が価値ではなく、AI翻訳が巷で用いられるようになっても、逆に使いこなせるぐらいの英語力というか英語適用能力が求められるということでしょうか。ネイティブスピーカーがどのレベルで話しているかを知っていて、自分の能力と相手のニーズを見極めながら、AI翻訳を用いるべきかどうか判断できるぐらいの英語力を持っていることは強みになると言えるでしょう。小さい頃からどうやってそのような英語力を身に着けられるようになっていくか、ネイティブの先生方とディスカッションしながら、担当する英会話学校でもカリキュラムに反映していきたいと思います。

Thursday, September 5, 2019

AIが変える英語教育 その1

あらゆる言語を自国語として把握できるようになる夢の道具はこの世界に登場するのか?あと5年もすれば、ドラえもんの中に登場した「ほんやくコンニャク」に相当するAIツールがこの世界に登場するなら、世界は大きく変わることになるでしょう。そもそも、語学教育の意味すら革命的に変えてしまう可能性があると思います。じゃあ、将来、日本人はそもそも苦手な英語を何千時間も勉強して習得する必要はなくなるのか?とても気になる質問だと思います。

そもそも、AI(Artificial intelligence)人工知能がどうして関係するのか?と思うかもしれません。実はAIの技術の進歩により、通訳・翻訳分野の機能がとんでもなく進化しているのです。こちらはSkype(スカイプ)が試験運用しているサービスですが、他言語を話す子供がスカイプを使って会話しているデモが流れています。確かにちょっと前までのGoogle翻訳機能はイマイチでしたが、今はかなり精度が上がってきていると思います。

海外旅行ではポケット翻訳機が活躍する時代です。こちらもAIの技術が適用されていて、より自然な、分かりやすい翻訳が一瞬で出てきます。「ポケトーク」は代表例ですね。さんまさんのCMを見ると、簡単な会話はらくらく通訳してくれるのを見て取れます。ちょっと前にうちの英会話教室で教えている先生が体調を崩して、病院にお世話になったのですが、看護婦さんがポケトークを使って会話しているのを見て、時代も変わったなーと感じます。※ポケトークの実力を試している動画を発見しましたので、興味があるかたはこちらをどうぞ。

しかし、ポケトークのような翻訳機はいくら優秀で精度が高くても、あくまでも「通訳者」としての機能になります。どうしてもコミュニケ―ション上のタイムラグが発生します。そもそも、ドラえもんの「ほんやくコンニャク」はあらゆる言語を自国語のように聞けて話せるリアルタイムの会話が可能な道具です。AIの技術がさらに発展して、恐らく言葉や声色、その人の思考パターンなどを網羅して、ほぼ完ぺきな予測機能が付いた翻訳が可能なら、リアルタイムの通訳に限りなく近づくことができるかもしれません。

ここからは仮説です。。。「英語ードイツ語」のような限りなく似ている、親戚のような言語はリアルタイム翻訳が可能かもしれませんが、そもそも語順や文法が根本的に異なる、「英語ー日本語」でどこまで可能なのか。結論から言うと、バイリンガルのコミュニケーションのスピードにはかなわないのではないか・・と思います。とても優秀なAIを搭載したほぼ完ぺきな翻訳エンジンがリリースされると、ある程度話せるレベルの英語力は代替してしまうでしょう。英語スピーカーの話し相手から「ごめん、よくわからないし、スピードもおそいのでAI使ってくれる?」と言われるようになると思います。でも、ネイティブ並みのスピーキング力、リスニング力があれば、AIツールを使うよりも断然早いし、相手からの信頼度も高いのではないでしょうか。

それではどの英会話レベルが合格点なのか?これからの英語教育はどこを目指したらいいのか?あくまでも予想ですが、結論としては、相当高いレベルが求められるでしょう。逆に「自分はAI翻訳を使わなくても大丈夫だ!」という自信をどのようにつけるか?というのが英語教育の将来に大きく関係してくると思います。

次回は、「AI翻訳なしでも大丈夫だ!」という「自信」とは何か?どういうレベルか?考えてみたいと思います。

Monday, September 2, 2019

子どもの英語教育おすすめ本

子どもの英語教育を考えるために、どのような本があるのか探して読んでみました。どの本のタイトルもキャッチ―で、すぐに役立ちそうな内容に見えます。実際に購入した本を少し紹介させて頂きますね。

○CD付 英語の話せる子の育て方 ジェフ・ディーン著(中経出版)
長年にわたって日本で英語教育に携わった経験から、丁寧に英語教育の方法について解説している本です。「英語が苦手な親でも大丈夫!」というフレーズには励まされます。0歳から12歳まで、成長に合わせた英語の教育方法の説明はとても分かりやすいと思いました。英語が苦手な親御さんでも、この本を使って子どもと英語で関わっていったら、相当話せるにようになるのでは・・

○お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法 平川裕貴著(彩図社)
なんとも魅力的なタイトルです。バイリンガル教育のメリットについてしっかり語り、自宅でバイリンガル教育できる方法について詳しく書いています。無料もしくはリーズナブルな価格で使えるリソース(動画や教材)もたくさん紹介していて、今日からでも始められる内容だと思います。4章の「英語スクールに通わせるなら」は、英会話スクール選びの助けになるでしょう(自分が運営する英会話スクールにとっても、良い示唆をいただきました)

○バイリンガルは5歳までにつくられる 三幣真理著(幻冬舎)
「5歳までに」と書かれると、5歳以上は対象外のように思えてしまいますが、中身は用事英語教育研究科の方が著者だけあって、読み応えがあります。「英語力別年代別年収比較」の図は、バイリンガルの人とそうでない人の年収差が明確で、説得力がありました。うちの娘は2歳から6歳までカナダで過ごしましたが、あえて日本語重視で育てたので、「英語にしておけばよかった!」と後悔。著者は娘さんをバイリンガルに育てた経験(プロフィールから)を持っているだけに、紹介されている教育方法は実践的かつ具体的だと思いました。

○子どもに英語を習わせる親が知っておきたいこと 高取しづか著(アルク)
教育方法というよりも、バイリンガルの教育理念、考え方を整理した1冊と言えるでしょう。1章の「度胸力」は、そのとおり!と思える内容でした。「以心伝心」は世界では通用しないとバッサリ。コミュニケーションとは何か?何を大切にしながら、語学を学ばせるのかということを一つ一つ丁寧に説明した本だと思います。

読んでみた内容を整理して、ポイントにまとめてみると、こんな感じでしょうか。

1.何よりも親の意識が大事
「英語を話せるようになって欲しい・・」日本人の親であれば多くの人が願うことだと思います。そこから一歩踏み込んで、「英語を話せるようになるために、何をしたらいいか?」「何をしなければいけないのか?」と行動に移す人は一部だとおもいます。しかし、さきほど紹介した本の多くは、さらに親に対して英語教育に参加すること、自分が子供に関わって一緒に学んでいく意識を持つように勧めています。たとえ英語が苦手でも、子供を英語に触れさせる、家庭内の会話を英語でチャレンジしてみる。本当に子供に英語を身に着けて欲しいなら、親の意識改革から・・・だと思いました。

2.英語を聴く環境を用意する
たとえ英会話スクールに通うことができたとしても、週1回~2回が一般的ではないでしょうか。週2回60分クラスに通ったとしても年間たったの100時間ちょっと。語学を学ぶには、英語に触れ続ける環境を整える必要があります。だからこそ、リーズナブルに(もしくは無料で)手に入れられる英語の教材や動画を用意し、毎日の生活のなかで触れさせていくことが大事になってきます。上掲の本の中には、たくさんのリソースが紹介されている本もあるので、英語学習環境を用意するのに役立つと思います。

3.教育の目的をはっきりする
なぜバイリンガルになる必要があるのか?子供の将来のため、グローバル社会で活躍してほしい、もっと豊かな人生を歩んで欲しい。さまざまな理由があると思いますが、英語教育の短期、中期、長期の目標をはっきりさせることは大切だと思います。うちの娘はカナダで1年間現地校に通い、日本に帰ってから英会話スクールに通うも、短期での学習目標が見つからなかったので、英検にチャレンジさせました。次は中学、高校で留学できるだけの英語力を身に着けるように励ますつもりです。その先に何があるか・・・親として子供の成長のために何ができるかを考えますが、英語教育においては「何となく英語ができたらいい」ではなく、明確な目標があったほうが、ブレることなく、継続的に学べる環境を作れるのではないかと思います。

ブログにまとめるにあたって、あらためて英語教育について学び、振り返る時間となりました。子供たちの5年後、10年後を期待しながら、英語教育、バイリンガルを目指して頑張っていきたいと思います。